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胃薬の漢方が生理痛にも使える!?

漢方では異病同治(いびょうどうち)という言葉があります。
異なる病(症状)でも同じ治し方をする(同じ漢方を使う)といった意味。
冷えからくる胃の不快感、冷えからくる生理痛
症状としては胃の不快感と生理痛で異なる。
でも原因は冷え。だからどちらも温めるという治し方をすれば治る。
すごく簡単に表現すればこんな感じです。

その一つの例が有名な胃薬「大正漢方胃腸薬」。
この薬は安中散と芍薬甘草湯いう2つの漢方が配合された胃薬です。
安中散の働きは冷えによる痛みを温めて緩和する漢方。
芍薬甘草湯は筋肉に過剰な収縮を緩める漢方。
キンキンに冷えたビールを飲んだら胃が冷えて痛くなった。
こんな冷たいものを食べて胃が痛くなったような時に服用するとよく効く胃薬です。
ただ、この「冷えて痛くなった」という状態は何も胃だけで起こるわけではありません。
その一つの例が生理痛。
生理中に冷たいものを食べたら生理痛が悪化した。生理中に薄着で外に出たら下腹部が冷えて生理痛が悪化した。
これも冷えが原因による痛みです。
こんな時に安中散が冷えを温め、芍薬甘草湯が過剰収縮した子宮の筋肉を緩めて生理痛を緩和します。
つまり大正漢方胃腸薬が生理痛にも使えるということ。

症状が異なっても、その根本となる原因が同じであれば同じ漢方で治せるという一例ですが、こういったことが漢方では珍しくありません。
どの漢方を使うかよりも、その症状の原因がどこにあるか。
漢方ではその見極めが大切です。
評判がいい漢方でも自分の体には合わないということもありますので、
ご自身の体質や症状の原因がハッキリしない時は専門家にご相談くださいませ。

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石井正久/マサ

上毛電鉄「中央前橋駅」から徒歩1分にある小谷薬局の4代目です。 「漢方で改善できる症状を確実に良くしていく」をモットーに子宝・婦人病・気象病を中心に漢方カウンセリングをしています。オーダーメイドの煎じ漢方もやっています。薬剤師。ラグビー・筋トレ・甘いもの好き。
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