「漢方薬には副作用はありませんか?」
よく聞かれる質問の一つです。
漢方薬は、様々な性質をもつ「生薬」を組み合わせることで処方を作っていきます。
症状や体質といっても、一人一人異なるので全く同じということはありません。
生薬を一つ一つ組み合わせることで、一人一人の症状や体質に対応することができます。
また、必要な性質を他の生薬で強めたり、望ましくない性質を他の生薬で相殺することもできます。
煎じ漢方であれば、生薬の種類や量で調節できますし、
エキス製剤であれば、他の処方と組み合わせることで対応することができます。
このように個々の状態に合わせて身体のバランスを整えるのが漢方なので
そもそも副作用という概念がありません。
体質、症状に合わせて処方を用いるので、
副作用はほとんど起こることがないと言えると思います。
そもそも副作用とは、病態に対して適切な処方を使っているのに、
本来の目的の作用以外に起こる望ましくない反応のことです。
病態の判断を誤ったり、適切でない処方を用いれば、不良な反応が起こるのは当然です。
これは適用の誤りであり、副作用ではありません。
先日、山梔子を含有する製剤について、
腸管膜静脈硬化症に関する使用上の注意改訂の通知発出がありました。
山梔子を含有する処方例
【黄連解毒湯、加味逍遥散、辛夷清肺湯、茵蔯蒿湯、防風通聖散、竜胆瀉肝湯、荊芥連翹湯etc・・・】
山梔子含有処方を服用されていた腸管膜静脈硬化症患者のうち
約9割の方が5年以上にわたり同じ処方を服用していたようです。
山梔子(さんしし)は、清熱薬とされる生薬です。
腸管膜静脈硬化症を発症された患者さんを見たわけではないので詳しくは分かりませんが、
本当に5年以上も山梔子を含む処方を服用する必要があったのか・・・
もし漫然とた服用であったのなら、今回の腸管膜静脈硬化症の件は、
副作用ではなく適用の誤りも考えられます。
漢方薬も薬です。
そして漢方を服用すれば病態に変化が起こります。
その変化に注意深く目を向けていかなければならなりません。
漫然とした漢方の服用は、今回のように望まない結果につながることがあります。
漢方薬に罪はありません。
漢方を用いる側が気を付けなければなりません。
漢方のことは漢方の専門家に相談しましょう(^O^)
前橋の漢方 小谷薬局
