口内炎ができた時に気を付けてほしいこと

こんにちは。石井です。

「口内炎は胃が悪いか、意地が悪いか」
こんな言葉があります。
初めて聞いた時には面白い言葉だなぁと思っただけでしたが、
よく考えてみると漢方的にも理にかなったいる言葉なんじゃないかと思ったんです。

漢方的に考える口内炎の原因は大きく以下の4つです。
①熱邪の侵入
寒気はあまり感じなくて、熱感を強く感じる。
のどが痛くて、のどが渇いて、おしっこが黄色くて。
舌が赤かったり、舌についている苔が黄色っぽかったり。
こんな感じの風邪をひいた時にできる口内炎です。

②心火上炎
ストレスがかかると肝の働きが悪くなります。
それで気の流れも悪くなる。
この状態を肝鬱（かんうつ）と言います。
この肝鬱が長く続くと肝鬱化火といって火が付きます。
肝には木の性質があるので燃えやすいんです。
この火が心に飛び火します。
それで心の火が燃え上がる。
これが心火上炎です。
心は舌に開竅（かいきょう）するので口内炎になります。
長いうえに専門用語が出てきて分かりにくいですが、
簡単に言えばストレス性の口内炎です。

③脾胃湿熱
脾胃とは消化器系のことです。
辛いもの、甘いもの、脂濃いもの、お酒などの飲みすぎ食べ過ぎや
日頃の暴飲暴食などで脾胃に負担をかけ続けると
脾胃に湿熱が溜まります。
湿は粘り気のある水分とでもいいましょうか。
これに熱をもったものが湿熱です。
脾胃は口に開竅するので、口内炎になります。
胃腸に熱を持った口内炎です。

④陰虚火旺
痩せていたり、筋肉が少なかったり、
発熱する状態が長く続いたり、慢性疾患でずっと闘病したいたりすると、
身体の陰液（潤い）が減っていきます。
潤いが減ると相対的に熱が強くなります。
陰陽で陰が減ると陽が強くなるからです。
潤い不足の口内炎です。
潤い不足なので、唇がひび割れていたり、微熱が続いていたりすることもあります。

「口内炎は胃が悪いか、意地が悪いか」は
この原因の②と③を指しているのではないかと思います。
「胃が悪い」
これは胃に負担をかけてできる脾胃湿熱の口内炎に当てはまりますね。
「意地が悪い」
意地が悪いと自分の思い通りにいかないことにイライラしそうですね。
だから些細なことがストレスになる。
だから肝鬱にもなりやすく、そこから心火上炎になりやすい。
ストレス性の口内炎ですね。
現代社会だと意地が悪くなくてもストレスは多いですから、
ストレス性の口内炎＝意地が悪いではないですけどね。

①の口内炎は風邪に伴うものなので、風邪が治ると一緒に治ったりします。
④の口内炎は一時的に発症してすぐに治る場合もありますし、
長く続く場合もあります。その場合は陰虚の体質改善が必要になります。

①～④の原因から分かるように、口内炎は「熱」が関係します。
炎症と言ってもいいかもしれません。
口内炎ができている時は、熱を助長するような食べ物、
辛いもの、甘いもの（砂糖を沢山使っているもの）、脂濃いもの、
アルコール度数の強いお酒などは控えた方がいいですよ。
また胃腸に負担をかけることもNGです。
口内炎がある時によく噛んで食べるのは痛くて難しいこともあるかもしれませんが、
なるべく噛むようにして消化をよいものを摂りましょう。
ストレスが原因かもしれないという時におススメなのが
「人に優しくする」ことです。
人に優しくすると、自分にも優しくしてくれます。
ストレスそのものは変えられないけど、自分の心の持ちようが少し変わると、
ストレスの受け止め方も変わるかもしれませんよ。

・胃腸に負担をかけない
・熱を生む飲食物を避ける
・人に優しくする（ストレスを受け流す）
これらを意識しましょう。

何を隠そう私は口内炎のプロと言っていいほど、
学生時代は毎月1～2回は口内炎ができていました。
あっ、治すプロではなくて口内炎を発症するプロです。
口内炎が多発してラグビーの練習を休んだことがあるくらいです。
だから口内炎の辛さは痛いほど分かります。
でも生活を整えたり、漢方で身体を整えることで、今ではほとんど口内炎ができなくなりました。
自分は口内炎ができやすい体質だと諦めないで下さい。
口内炎ができにくい身体に変えることはできるんですよ。

「胃が悪い」は漢方で対処できますが、
「意地が悪い」に効く漢方はありませんので悪しからず。

お読みいただきありがとうございます。
小谷薬局　石井正久