ブログ こんな風邪には葛根湯は使えません 投稿日: 2022年8月6日 石井正久/マサ 喉に違和感がある 寒気はなくてむしろ熱い 体温は平熱だけど、熱感がある 少し汗をかいている こんな症状をお持ちの方から相談がありました。 「風邪のひき始めかもしれないから、葛根湯で合っていますか?」 僕はそれはやめた方がいいと即答しました。 葛根湯と言えば「風邪のひきはじめ」や「肩こり」に使う印象をお持ちの方も多い漢方です。 もちろんこれは間違いではありません。 風邪のひき始めに使うし、肩こりにも使います。 ただ、どんな風邪のひき始めにも使う訳ではないし、 肩こりであればどんな原因であっても使える訳ではありません。 風寒と呼ばれる寒さが体に侵入したことで起こる風邪。 この時、体は体温をあげて免疫力を高めようとします。 体が上げようとしている体温。 でも実際体が求めている温度まで上がっていない体温。 ここに差がある時に体は寒気として感じます。 体をブルブルと震わせて体温を高めようとします。 熱があっても寒気を感じるのは、体が求めている体温になっていないからです。 寒気のために背筋や首が強張るので肩こりや頭痛が起きます。 発汗は体温を下げる時に起こる生理現象なので、この時には汗は出ません。 風邪のひき始めやそれに伴う肩こり。 葛根湯を使うのはこんな時です。 葛根湯は簡単に言えば「体を温めて発汗を促す漢方」。 体を温めることで体が求めている体温まで上げるのを手伝います。 そこまでの到達時間が早ま理、これ以上体温を高める必要が無くなれば、 次は発汗するようになり、熱は引いていきます。 簡単に言えば体を温めて発汗を促す漢方です。 葛根湯を使う時の最低条件は「寒気+汗をかいていない」です。 相談いただいた方の症状を見ると、寒気はなく熱感が強くなっています。 また、すでに汗をかいています。 ここだけを見ても葛根湯を使う条件を満たさないので、 服用すべきではないと判断しました。 喉の違和感や痛み、喉の渇き、寒気は少なく熱感が強い 目が充血している、頭痛がする、舌が赤い… こういった熱症状が多く見られる時に葛根湯を服用してしまうと、 その温める作用によって熱を助長してしまうので、 治るどころか逆に症状を悪化させてしまうこともあります。 暑さで体力を消耗して、その上クーラーに当たって喉風邪を引いた 夏場はこんな風邪を訴える方が多いです。 もし冷えの症状よりも、熱の症状が多い場合には 『銀翹散(ぎんぎょうさん)』がおすすめ。 熱症状を冷ましながら、風邪を発散してくれる漢方です。 冷えの風邪なのか、熱の風邪なのか 葛根湯を手に取る前に確認してくだいね。 The following two tabs change content below.この記事を書いた人最新の記事 石井正久/マサ 上毛電鉄「中央前橋駅」から徒歩1分にある小谷薬局の4代目です。 「漢方で改善できる症状を確実に良くしていく」をモットーに子宝・婦人病・気象病を中心に漢方カウンセリングをしています。オーダーメイドの煎じ漢方もやっています。薬剤師。ラグビー・筋トレ・甘いもの好き。 最新記事 by 石井正久/マサ (全て見る) お知らせ - 2024年4月6日 花粉症で使う漢方「小青龍湯」の注意点 - 2024年3月19日 漢方でダイエット - 2023年8月17日 共有:TwitterFacebook