ブログ 漢方は心を治さない 投稿日: 2023年3月22日 石井正久/マサ 漠然とした不安感、ちょっとした事でイライラ、生理前になると落ち込む、クヨクヨしやすい、気持ちが塞いで鬱っぽい、パニック発作が起こる。。。 こういった精神面での症状に漢方薬を使う場面は多くあります。 ただ、漢方では基本的に心の症状、精神的な症状を直接的に治すことはできません。 何故なら、 「心身一如」心の状態は身体に影響を及ぼし、身体の状態は心に影響を及ぼす 漢方がアプローチできるのは身体のみだからです。 身体の水の巡りを整える、血の機能を回復する、冷えを改善する。 こうして身体の状態を整えることで、結果として心の症状を改善するのが漢方だからです。 これを具体的に説明しますと、 気持ちが落ち込みで悩んでいて、冷えがある場合。冷えは陰の気です。陰気というと暗く晴々しない様子を表すように、冷えは陰の気が強くなっている状態です。陰は下方に沈む性質があります。これは精神面にも影響するので気持ちも落ち込みます。漢方では落ち込みを改善するのではなく、身体を温めることで冷えを改善します。冷えが改善すると陽の気が増します。陽は上昇の性質。気持ちも上向きやすくなるので、結果として落ち込みが改善されます。 このように、あくまで漢方でアプローチするのは身体の状態のみ。心に影響している身体の不調を改善することで、心の不調の改善を図ります。 もし、身体側の原因はなく、心が本当に疲れてしまったがために出ている症状ならば、 それは漢方で改善することは難しいです。 心を休めるための休息であったり、適切な医療機関の受診が必要になります。 もし精神的な症状で悩まれているなら、一度漢方的な視点で身体の状態を診てもらうこともおススメです。身体側からアプローチできるかもしれませんよ。 The following two tabs change content below.この記事を書いた人最新の記事 石井正久/マサ 上毛電鉄「中央前橋駅」から徒歩1分にある小谷薬局の4代目です。 「漢方で改善できる症状を確実に良くしていく」をモットーに子宝・婦人病・気象病を中心に漢方カウンセリングをしています。オーダーメイドの煎じ漢方もやっています。薬剤師。ラグビー・筋トレ・甘いもの好き。 最新記事 by 石井正久/マサ (全て見る) お知らせ - 2024年4月6日 花粉症で使う漢方「小青龍湯」の注意点 - 2024年3月19日 漢方でダイエット - 2023年8月17日 共有:TwitterFacebook