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漢方は心を治さない

漠然とした不安感、ちょっとした事でイライラ、生理前になると落ち込む、クヨクヨしやすい、気持ちが塞いで鬱っぽい、パニック発作が起こる。。。
こういった精神面での症状に漢方薬を使う場面は多くあります。
ただ、漢方では基本的に心の症状、精神的な症状を直接的に治すことはできません。
何故なら、
「心身一如」心の状態は身体に影響を及ぼし、身体の状態は心に影響を及ぼす
漢方がアプローチできるのは身体のみだからです。
身体の水の巡りを整える、血の機能を回復する、冷えを改善する。
こうして身体の状態を整えることで、結果として心の症状を改善するのが漢方だからです。
これを具体的に説明しますと、
気持ちが落ち込みで悩んでいて、冷えがある場合。冷えは陰の気です。陰気というと暗く晴々しない様子を表すように、冷えは陰の気が強くなっている状態です。陰は下方に沈む性質があります。これは精神面にも影響するので気持ちも落ち込みます。漢方では落ち込みを改善するのではなく、身体を温めることで冷えを改善します。冷えが改善すると陽の気が増します。陽は上昇の性質。気持ちも上向きやすくなるので、結果として落ち込みが改善されます。
このように、あくまで漢方でアプローチするのは身体の状態のみ。心に影響している身体の不調を改善することで、心の不調の改善を図ります。
もし、身体側の原因はなく、心が本当に疲れてしまったがために出ている症状ならば、
それは漢方で改善することは難しいです。
心を休めるための休息であったり、適切な医療機関の受診が必要になります。

もし精神的な症状で悩まれているなら、一度漢方的な視点で身体の状態を診てもらうこともおススメです。身体側からアプローチできるかもしれませんよ。

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石井正久/マサ

上毛電鉄「中央前橋駅」から徒歩1分にある小谷薬局の4代目です。 「漢方で改善できる症状を確実に良くしていく」をモットーに子宝・婦人病・気象病を中心に漢方カウンセリングをしています。オーダーメイドの煎じ漢方もやっています。薬剤師。ラグビー・筋トレ・甘いもの好き。
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