症例紹介

不眠 症例

「眠れない」
誰にでも一度は経験があるのではないでしょうか。
自律神経の乱れ、ストレス、環境の変化、風邪、身体の不調...
原因やきっかけは色々あります。
一過性で翌日にはぐっすり眠れるといった場合もありますが、
慢性化してしまうことも。
眠れないと不安を呼びます。
そしてそれが続いてしまうと「今日は眠れるかな」とまた不安を呼びます。
この不安によってさらに眠れなくなる。
こんな不安感を抱えた方のご相談でした。

60代女性
数ヶ月前から眠れないことが気になりました。
ここ1ヶ月は気持ちよく眠れた日が思い浮かびません。
夜になると身体がソワソワとしてくる。
特に足のソワソワ感が強く、落ち着かなくなります。
横になってジッとしていることができず、
足を叩いてみたり、家の中を歩き回ったり。
市販の睡眠改善薬を試したら寝付きが改善しました。
でもこのまま薬に頼り切ってしまうことに不安を覚え、
漢方での改善が図れないかと相談に来店されました。

不眠といっても2通りあります。
・漢方で改善できる不眠
・漢方では改善が難しい不眠

漢方は睡眠導入剤ではありません。
飲めば眠気を催す、飲めばすぐに眠れるというものではありません。
漢方の役割とは睡眠をとるのに妨げとなっている身体の不調を整えること。
身体の不調があり睡眠に障害が出ている不眠。
これは漢方でアプローチできます。
漢方で身体を整えれば睡眠も整います。
身体の不調よりも心の不調が大きい不眠。
これは漢方での改善が難しいと考えます。
身体のバランスは漢方でコントロールできても、
心のバランスは整えられないから。
この場合は睡眠外来や心療内科などでの適切な治療が必要です。

この方は漢方でアプローチできると考えました。
ポイントは、夜になると足のソワソワ感・イライラ感。
これらを一言で言うなら「熱」
熱の籠りによって煩躁が起こり、睡眠に障害が出ている。
だから熱をとれば眠れるようになる。
こう考え、「熱をとる」を目標に漢方をお渡ししました。

7日後。
効果は予想よりも早く現れました。
眠れるようになってきている。
足のソワソワ感が減ってきている。
やはり熱が不眠につながっている。
この方向性で間違いがないと確認できました。
14日後
以前と変わらないほどスムーズに入眠。
足のソワソワ感も8割改善しました。
状態はかなり安定されていたので、
もう2週間服用してもらい廃薬としました。

ぐっすり眠れる幸せ。
当たり前に眠れている時にはなかなか気がつかないけれど、
眠れないという悩みを抱えることで改めて気づくものなのかもしれません。
眠れるようになり不安感が消えた笑顔がとても印象的でした。

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石井正久/マサ

上毛電鉄「中央前橋駅」から徒歩1分にある小谷薬局の4代目です。 「漢方で改善できる症状を確実に良くしていく」をモットーに子宝・婦人病・気象病を中心に漢方カウンセリングをしています。オーダーメイドの煎じ漢方もやっています。薬剤師。ラグビー・筋トレ・甘いもの好き。
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