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同時に治療できる症状、できない症状

こんにちは。石井です。
漢方を服用したら悩んでいた症状とは別の症状も良くなった。
こういったことはよくあります。

例えば、首の痛みのご相談。
「お風呂に入ると多少痛みが和らぐ」と訴えがあったので、
血行を良くして筋肉の緊張を和らげる漢方をお渡ししました。
痛みは順調に改善してきている中、別の身体の変化の訴えが。
今まで痛み止めなしでは過ごすことでできなかった生理が
気がついたら痛み止めを飲んでいなかったと。
生理痛がなくなっていました。

確かにお渡しした漢方は首の痛みの漢方。
そして漢方の目的は「筋肉の緊張を和らげる」
生理痛の原因も色々ありますが、
その一つに筋肉の過収縮。
飲んでいた漢方で子宮の過収縮も和らいだので生理痛が軽くなった。
つまり、首の痛みも生理痛の筋肉や筋層の緊張が関わっていたと考えられます。
このように一見別の病態のようであっても
原因を考えると同じだったり、治療の方向性が同一方向にある場合。
この場合は同時に治療することができます。

悩める症状がいくつもある場合は、
それぞれの症状が関係している病態の症状なのか、独立した病態の症状なのか。
また原因が同一方向にあるのか
これを考える必要があります。
もしそれぞれが独立した病態であるならば、
症状に優先順位をつけて一つずつ改善していく。
原因も方向性も異なる症状を同時に改善しようとすると
漢方で身体をどの方向に向かわせたいのかが曖昧になります。
だから効果もぼやけます。
二兎追うものは・・・ではないですが、
一兎ずつ確実に狙っていった方が結果が出やすいし、
漢方の服用も結果的に短く済みます。

同時に治療できるかどうかは、
・その症状の原因がどこにあるのか
・治療の方向性がどこに向いているのか
ここをしっかり確認する必要があります。
できることなら同時に治療したいし、漢方の服用は短く済ませたい。
これは漢方を出す側も飲まれる方も気持ちは同じ。
だからこそ無理にいくつも同時に治療しようとせず、
できるものから確実に良くしていくという順を追うことも必要ですよ。

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石井正久/マサ

上毛電鉄「中央前橋駅」から徒歩1分にある小谷薬局の4代目です。 「漢方で改善できる症状を確実に良くしていく」をモットーに子宝・婦人病・気象病を中心に漢方カウンセリングをしています。オーダーメイドの煎じ漢方もやっています。薬剤師。ラグビー・筋トレ・甘いもの好き。
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