春の七草に「すずしろ」があります。
これは大根の別名です。
大根にはでんぷんを分解する消化酵素を豊富に含まれ、
胃酸の分泌を促進する作用もあります。
薬膳では、寒さやストレスで滞った「気」の巡りを整える働きに優れるので
「気滞」を改善する食材としても活用されています。
大根の種子は漢方薬にも使われています。
気滞とは「気が回らない」状態のことです。
人の呼吸は「どうしよう」と思った瞬間に浅くなります。
そしてそれまで順調だった気の分配に乱れが生じます。
その乱れた状態が「気滞」です。
しかも瞬間的な「どうしよう」が慢性的な「気がかり」になると、
めまい・肩こり・不眠などの症状や、
「そこまで気が回らない」
「気が利かない」
「気のゆるみ」
といった思考の低下にもつながっていきます。
また寒さでも気の働きは鈍くなります。
腰痛など冷えて痛みが出る時も、患部は「気滞」になっています。
そんな「気滞」の状態を改善する生薬が麝香(じゃこう)です。
香は雄のジャコウジカの腺分泌物で、全身の気の巡りを整える作用があります。
気の巡りを整えて、健やかで「気楽」に過ごしましょう。