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漢方を2種類以上併用しても大丈夫ですか

併用することは大丈夫です。
飲み合わせに注意しましょう。
ただ、大切なのは「何のために服用するか」です。
いくつもの症状改善を同時に追わずに、
しっかりと治療の優先順位をつけましょう

こんにちは。漢方カウンセラーの石井です。

「漢方の併用って大丈夫ですか?」

よく聞かれる質問です。
漢方も薬ですから、飲み合わせがあります。
漢方同士の飲み合わせをチェックしましょう。

・生薬が重なりすぎていないか
漢方は何種類かの生薬の組み合わせで処方が作られます。
例えば、葛根湯なら「葛根・麻黄・桂枝・芍薬・大棗・生姜・甘草」の7種類から成ります。
大黄甘草湯なら「大黄・甘草」の2種類。
服用する漢方の種類が増えると、構成している生薬の中で重なるものが出てきます。
上記の2種類だったら「甘草」が重なっていますよね。
この重なりが増えすぎると、1つの生薬の過剰摂取になることがあります。
生薬にもよりますが、特に「甘草」や「麻黄」といった生薬は
過剰摂取での副作用に要注意です。

・矛盾が生じていないか
漢方は処方それぞれに何をするか目的があります。
温める漢方、冷やす漢方、補う漢方、排泄を促す漢方・・・
こんな感じです。
仮に温める漢方冷やす漢方を同時に服用したら、
一体何をしたいのか分からないですよね。
矛盾が生じるわけです。
これでは漢方を服用してもそのチカラを十分に発揮できません。
だったら飲まない方がいいくらい。
だからどのような目的の漢方なのかのチェックは大切です。

これらの飲み合わせが問題ないのなら、併用しても大丈夫です。

ただ、気をつけないといけないのが、
服用する種類が増えれば増えるほど漢方の効果が出にくくなる
ということ。
漢方はシンプルなほどよく効きます
複数の処方を併用して服用するよりも
1つの処方で対処したほうがよく効きます。

だから大切なのが、
「何のために服用するのか」
これを明確にして、
「治療の優先順位」をつけることです。

冷え性、めまい、不眠、浮腫み、生理痛・・・
これらの症状があった時に1つの処方で対処するのは難しいです。
原因が同じだったら同時に対処できますけども。
でも原因が異なると思われる場合は、1つの処方では対処できない。
同時に対処するために併用する。
そして悩める症状が多ければ多いほど漢方も増えがち。
種類が増えれば増えるほど効きにくくなる。
「二兎追うものは一兎も得ず」
結局どの症状も良くならなかったなんてことにもなりかねません。

また、多くの場合、服用する漢方が増えればその中に矛盾が生じやすいので、
その時点で併用はやめた方がいいです。
だから「まずどの症状を改善したいのか」
この優先順位を明確にしましょう。
優先順位の高いものから対処していく。
この方が結果的に早く良くなります。

【まとめ】
併用することは大丈夫。
何のために併用するのかが重要。
改善したい症状がいくつかあるなら、優先順位をつけましょう

現在、何種類か漢方を服用されている方。
この併用は大丈夫かなと思われたら、まずは漢方を出してくれた方に相談しましょう。
もし相談しにくければ、僕に相談してください。
服用されている漢方を確認した上で、
より良いと思う飲み方を一緒に考えますよ。
その際は、まずお電話、もしくはメール下さいね。

TEL 027-231-4065
Mail info@kotani-pharmacy.com
小谷薬局 石井正久

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石井正久/マサ

上毛電鉄「中央前橋駅」から徒歩1分にある小谷薬局の4代目です。 「漢方で改善できる症状を確実に良くしていく」をモットーに子宝・婦人病・気象病を中心に漢方カウンセリングをしています。オーダーメイドの煎じ漢方もやっています。薬剤師。ラグビー・筋トレ・甘いもの好き。
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