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「年のせい」ってホントは何のせい?

こんにちは。石井です。
「年のせい」
思ったり、言われたりしたことありませんか?
年のせいってどうしようもない気持ちになりますよね。
年には勝てない。
老化したらどうしようもない。
こんな諦めの言葉にも聞こえます。

老化とは

老化とは、生物学的には時間の経過とともに生物の個体に起こる変化。
その中でも特に生物が死に至るまでの間に起こる機能低下やその過程を指す。
老化は、死を想起させたり、成熟との区別が恣意的であることから、
加齢、エイジングと言い換えられる場合もある。(ウィキペディアより引用)

簡単に言えば、老化とは身体の機能低下。
機能低下の原因にも2通りあります。
一つが加齢
時間経過ってことです。
誰しもが一日一日歳を重ねていきます。
今日よりも若い日はやってきません。
日々使っている身体は、内臓も細胞も時を歳を重ねます。
モノで例えるなら経年劣化のようなものです。
もう一つが酸化
身体が錆びることで機能が低下します。
食事、ストレス、激しい運動、睡眠不足
生活の中でも活性酸素は発生して身体は錆びます。

時間は戻すことはできません。
だから時間経過による機能低下は不可逆的なもの。
一方、身体の酸化による機能低下は、酸化を改善することで
機能の改善も図ることができます。
だから可逆的
・時間経過による不可逆的な身体の衰え
・身体の酸化などによる可逆的な機能の衰え
一般的にアンチエイジングと言われるのは、
後者の衰えに対しての改善を指します。

老化は腎虚なのか

漢方では老化には『腎』が関わっていると考えます。
腎とは腎臓だけを指すのではなく、
泌尿器や生殖器も含めた広い範囲を指します。
この腎の働きは、
・精を蔵し、生殖・発育を主る
・水を主る
・納気を主る
精とは「生命の根」「生身の本」など呼ばれ、
生命力の源のようなモノです。
腎は精を蔵しているから、腎が生命力とも関わりが深い。
腎の衰えは精の衰えになり、身体の衰えにも深く繋がるから、
老化には腎が関わっていると考えます。
腎の機能が低下した状態が「腎虚」
歳を重ねると腎虚になる。
これには腎の機能を補う補腎という方法を用いると、
老化のスピードがゆっくりになる。
アンチエイジングになる。
これってホントですかね?

確かに、歳を重ねれば腎の機能が低下します。
でもこれは時間経過による衰え
生理的な機能の低下です。
だから不可逆的。元には戻せません。
歳を重ねただけで、病理的な腎虚になるんだったら、
歳を兼ねることそのものが病気ということになっちゃいますからね。
だから、補腎と言われる漢方を使ったとしても元に戻ることはない。
アンチエイジングしようがないんです。
歳を重ねただけで、病理的な腎虚になることはないし、
補腎薬を用いても機能の改善には繋がりません。
ここは不可逆的だからしょうがないです。
でも身体の酸化など、バランスの低下による可逆的な機能低下なら
漢方もその改善が図れます。

「年のせい」
不可逆的な衰えは戻せません。
これはしょうがないと受け入れるしかない。
でも可逆的な衰えなら改善できるかもしれません。
まずは生活の見直しが必要です。
そしてアンチエイジングをしたいなら、
補腎薬に頼るのではなく、
食事、運動、笑顔、心持ち・・・
これを重ねていくしかないです。
アンチエイジングに良い食材や健康法などの情報も沢山ありますが、
これだけやればいいという食材や方法はありません。
できることを一つずつコツコツ積み重ねていきましょう。

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石井正久/マサ

上毛電鉄「中央前橋駅」から徒歩1分にある小谷薬局の4代目です。 「漢方で改善できる症状を確実に良くしていく」をモットーに子宝・婦人病・気象病を中心に漢方カウンセリングをしています。オーダーメイドの煎じ漢方もやっています。薬剤師。ラグビー・筋トレ・甘いもの好き。
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