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生理前の頭痛と生理初期の頭痛。これって同じ頭痛?

こんにちは。
12年前の3月9日は第93回薬剤師国家試験最終日でした。
僕が受験した薬剤師国家試験です。
受験が終わった日が3月9日。
その帰り道に聞いていた曲がレミオロメンの「3月9日」
これを聞きながら解放感に浸っていました。
だから覚えているんです。
ちなみに僕の1学年下までが薬学部4年制で、
2学年下からは薬学部6年制。
薬剤師になってもう12年も経ったなんて信じられない石井です。

生理の時に頭痛がする

『頭痛』
誰でも一度くらいは感じたことありますよね。
何とも言えない不快感があります。
この頭痛の中での、生理周期に伴って頭痛がする。
こんな頭痛に悩まれている方は少なくないように感じます。。
片頭痛の一つとして生理周期に伴う頭痛を起こすケースが多いです。
排卵期や生理直前~生理初期にかけて起こりやすいので、
女性ホルモンの関与が考えられています。
一言に『生理周期に伴う頭痛』と言っても、
それが生理の前に起こる頭痛なのか。
それとも生理の初期に起こる頭痛なのか。
この違いだけでも、
その時の身体の状態は異なります。
頭痛の原因も異なります。
漢方の使い方も大きく変わってくるんです。

生理前に起こる頭痛

生理前の身体はどのような状態なのかを考えます。
これから肥厚した子宮内膜が剥がれ落ちて、
経血として排泄されようしています。
つまり血が溜まっている状態です。
そして生理が起こり、経血が排泄されると頭痛が改善する。
つまり『血』に原因があると考えられます。
血に何かが溜まっていて、それが排泄されることで、
その何かも一緒に排泄されるので、頭痛が改善する。
その「何か」とは。。。
考えられる原因の一つが熱。
血に熱をもった状態「血熱」です。
だから生理前に起こる頭痛の原因の一つが血熱。
これには血の熱を冷ましながら、頭痛の改善を図ります。

また、生理前にイライラしたり、怒りっぽくなったり、
溜め息がよく出るようになったりするのは、
肝気鬱結という状態。
肝の「疏泄」という、のびやかに動かすという働きが低下して起こります。
血熱と一緒にこの疏泄の働きの低下(疏泄失調)も伴うケースもあります。

生理初期に起こる頭痛

生理後の身体の状態はどうなっているのか。
血が排泄された後です。
身体としては血の消耗がしています。
この状態で頭痛が起こるということは、
血の消耗が原因の一つに考えられます。
これには血を補いながら、頭痛の改善を図ります。

同病異治

同じ疾病でも治し方が異なるという意味の言葉です。
生理時の頭痛という一見同じ疾病でも、
身体の状態やその原因には違いがあるので、
その治し方も異なります。
一言に頭痛といっても
緊張型頭痛、片頭痛、群発頭痛などその種類は様々。
生理時の頭痛は片頭痛が多いです。
生理前に起こっても、生理後に起こっても片頭痛です。
だから鎮痛剤、もしくは片頭痛の治療薬。
痛みを緩和する方法。
でも生理前と生理初期では身体の状態が全然違うんです。
だから治し方も使う漢方も全然違うんです。
痛いから痛み止め。
苦痛から逃れるための当然の選択だと思います。
でも痛み止めは痛みの原因の改善はしてくれません。
生理前と生理初期で鎮痛薬の種類が変わることもないでしょう。
でも漢方では身体の捉え方、
原因の考え方が変わるんです。
ここが漢方の面白いところですね。

生理に伴う頭痛に悩まれている方は、
一度漢方的な視点で原因を探ってみるといいですよ。

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石井正久/マサ

上毛電鉄「中央前橋駅」から徒歩1分にある小谷薬局の4代目です。 「漢方で改善できる症状を確実に良くしていく」をモットーに子宝・婦人病・気象病を中心に漢方カウンセリングをしています。オーダーメイドの煎じ漢方もやっています。薬剤師。ラグビー・筋トレ・甘いもの好き。
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