症例紹介

慢性化した頭痛 症例

症例 30代女性 高崎市

主訴:頭痛

ずいぶんと長い期間、頭痛に悩まれていました。
検査をしてもハッキリとした原因は分からず。
同時に肩こりも伴います。
症状が増悪するのは、
・眠い時
・疲れた時
・お子さんと一緒に公園で遊びまわった後
・職場の冷房がガンガン効いている時
毎年6月頃から症状が重くなります。
頭痛がひどくなると悪心や身体の重だるさが伴います。
さらに悪化すると嘔吐することもありました。

市販の痛み止めでずっと誤魔化してきました。
しかし、痛み止めの長期連用のため、胃にも不調が現れました。
慢性胃炎(胃がただれている)との診断。
それでも頭痛は続きます。
痛み止めも止めることができません。
しかたなく、胃に負担のかかりにくい痛み止めに変更しました。

肩こりと頭痛という症状から、葛根湯も服用。
効果は感じられません
それまで乱れがちであった生活の見直しも行いました。
頭痛の際に白湯を飲むと少しだけ楽になることが分かりました。
それでも頭痛の消失には至りません。
頭痛、それを抑えるための痛み止めというサイクルがこのまま続くことへの不安。
この不安からの解消を望まれていました。

頭痛の原因はいくつか考えられます。
・冷え
・血行不良
・湿気
・気圧
などなど

この方は1年のうち、6月から7月にかけて頭痛が悪化
ここは気になるポイントです。
そして、肩こりが伴う。
温泉に入るとすぐにのぼせてしまうので、
長く入っていられない。
これも病態を把握するのに大切な情報でした。
これらを踏まえて丁寧に問診していくことで、
頭痛の病態が見えてきます。

漢方的に考えて身体がどんな状態になっているか。
そして頭痛にどうつながっているか。
何故この漢方を用いるのか。
やはりここをしっかりご理解いただくことが大切だと僕は考えています。
その上でまずは7日間、煎じ漢方を服用いただきました

7日後。
頭痛が起こった回数はゼロ。
肩こりもない。
のぼせもなし。
漢方の方向性に間違いはなかったようで一安心。
漢方を服用し、身体が良くなり喜んでいただく。
これが僕の喜びでもあります。
でもここで油断はできません。
症状がないとはいえ、まだ7日。
身体はそんなに簡単には変わりません。

少し処方内容を加減してもうしばらく服用していただくと共に、
生活の中で気を付けていただくポイントもお伝えしました。

痛みは身体からのサインです。
痛み止めで楽になったとしても、それは警報器を一時的に止めているだけ。
原因である火元は何も変わりません
頭痛だけでなく、生理痛、関節痛なども同じです。
身体が発するSOSサインを見逃さないで、
ちゃんと身体に目を向けることの大切さ。
これを実感した症例でした。

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石井正久/マサ

上毛電鉄「中央前橋駅」から徒歩1分にある小谷薬局の4代目です。 「漢方で改善できる症状を確実に良くしていく」をモットーに子宝・婦人病・気象病を中心に漢方カウンセリングをしています。オーダーメイドの煎じ漢方もやっています。薬剤師。ラグビー・筋トレ・甘いもの好き。
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