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気象病頭痛と五苓散〜後編〜

「天気(気圧)の変化などによる頭痛に」
「低気圧などで不調を感じる方に」
こういったキャッチコピーと共に気象病頭痛薬として販売されている五苓散。
浮腫みや下痢、尿量減少、二日酔いを伴う頭痛などに使われることが多い処方ですが、
何故、気象病頭痛の薬として使われるのか。
そこを考えたブログの後編です。前編はコチラをどうぞ。

なぜ低気圧で頭痛が起こるのか

気圧とは空気の密度。
気圧が低いということは空気の密度が低いということです。
体にかかる空気圧も低くなるので、相対的に体の内圧が上がります。
山頂に行くとスナック菓子の袋がパンパンに膨らむのはこのためです。
内側から外側に向かう力が強くなる
低気圧が近づくと体にも同じ状態になります。
内圧が上がる。
この外側に向かうチカラが体にも影響します。

血管への影響
内圧が強くなると血管も拡張します。
そして血管が拡張することで血流量が増えます。
水量が変わらないのに、いきなり川幅が広がる川のような状態になるので
流れが淀みます。
一時的に血流が停滞します。血流が弱まります。
血管の収縮拡張、血流量は自律神経がコントロールしています。
これが気圧という物理的な影響を受けて血管が拡張し、血流量が変化することで
自律神経の制御ではない変化が起こります。
当然、自律神経が乱れます。
この血流の変化による自律神経の乱れが頭痛にもつながります。

筋肉への影響
筋肉は体で最大の保水器官です。
多くの水が蓄えられています。
気圧が下がり内圧が高くなることで、影響を受けるのがこの水。
水は動きやすいという特徴があります。
筋中に保持されていた水が、内圧の影響により筋肉外へ漏れます。
この水が皮下に留まると浮腫みに。
胃に留まると食欲不振や動悸に。
内耳に留まるとめまいふらつきに。
関節に留まれば関節痛や古傷の痛みに。
頭内に留まると頭痛に。
水の偏在によっても頭痛が引き起こされます。

気圧が急激に変化するほど症状は強くなります。
それは変化の速度が早いため、それに体が順応できないから。
逆に気圧が下がったとしても、ゆっくりと少しずつ下がれば、
体が順応する時間があるので症状もそれほど強く出ない傾向にあります。

なぜ五苓散が効くのか

気象病頭痛には「水」が深く関係しています。
それは水を整える処方である五苓散で症状が軽減するという事実からも分かります。
水の偏在を整える。
水の流れを整える。
血流や水の偏在が整う。
結果として自律神経も整う。
頭痛が軽減する。
五苓散はこの水の偏在を整えます。
また、五苓散に内包される桂枝。
この桂枝が気の流れを整えるとともに
血流を安定される作用があります。
一時的に拡張して停滞した血流を改善する。
これにより結果として自律神経の安定も図ります。
水、そして血流の両面に作用することで頭痛を改善する。
だから気象病頭痛に五苓散が効きます。

五苓散を使ってみるのもアリ

気象病頭痛に悩んでいて、痛み止めが思うように効かない方や
もしくはとりあえず漢方を試してみたいという方は、
五苓散を使ってみるのはアリだと思います。
五苓散はドラッグストアでも手軽に手に入ります。
「低気圧に伴う頭痛に・・・」とパッケージに書いてなくても
五苓散であれば大丈夫です。
タイミングとしては、鎮痛剤のように痛くなってから飲むよりは、
気圧の変化がなくても1週間〜2週間ほど服用してみる。
これで痛みが少しでも楽になるかを判断するといいです。

ただ、気象病頭痛に五苓散がファーストチョイスになるかと言えば、
そうでない場合の方が多いと思います。
五苓散は水を動かす処方。
これ以外にも水を動かす処方がいくつもあります。
苓桂朮甘湯、沢瀉湯、茯苓沢瀉湯、真武湯…
それぞれに水の動かし方や動かす部位が異なります。
より体質や症状に合うものを服用するのがやはりベストです。
ただ五苓散が効くことがあるのも事実。
五苓散が気象病頭痛薬として使われるのも販売されているのも
ちゃんと理由がありますよ。

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石井正久/マサ

石井正久/マサ

上毛電鉄「中央前橋駅」から徒歩1分にある小谷薬局の4代目です。 「漢方で改善できる症状を確実に良くしていく」をモットーに子宝・婦人病・気象病を中心に漢方カウンセリングをしています。オーダーメイドの煎じ漢方もやっています。薬剤師。ラグビー・筋トレ・甘いもの好き。
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