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気象病頭痛と五苓散〜養生編〜

「天気(気圧)の変化などによる頭痛に」
「低気圧などで不調を感じる方に」
こういったキャッチコピーと共に漢方が気象病頭痛薬として販売されている時代です。
気象病という言葉が市民権を得てきたようにも感じます。
気象病の改善には漢方が有効であることは確かですが、
気象病を悪化させないためは養生も欠かせません。

『筋トレ』
もちろん症状が出ている時は無理しないことが基本です。
体調が安定している時にオススメなのが「筋トレ」
筋肉がしっかりつくと、内圧が上がった際に筋中から水が漏れにくくなります。
気象病に悩める人が女性に多いのは、男性に比べて筋肉量が少ないのも原因の一つ。
また、筋肉がしっかりすると血管にほどよい緊張感が生まれ力強い血流が維持できるようになるので、低気圧でも影響を受けにくくなります。
大きい筋肉から鍛えた方が効率がいいので、始めるならスクワットなど下半身からがオススメ。

『胃腸を労る』
胃腸は水分代謝の要。胃腸が疲れていると必要な水分がきちんと吸収できないだけでなく、身体の不調となる不要な水が増えます。
胃腸が働きは筋肉にも影響します。
胃腸に不調は血流も弱くなります。
具体的には、
・一口30回を目標に噛む
・腹八分目を意識する
・食事はお茶なしでの完食を目指す
・寝る2時間前には食事を終わらせる
・冷たいモノを食べる時は唾液を混ぜて食べる

『睡眠』
身体の疲労を取るために最も効果的な方法は睡眠です。
逆に睡眠不足があると体の疲労は取れません。
筋肉の疲労も取れません。
自律神経も乱れます。
血行も悪くなります。
睡眠不足は気圧変化に影響されやすくなります。
普段は気圧変化に影響されない人でも影響されるようになります。
睡眠不足は気象病を誘発させる原因になります。
そして慢性的な寝不足は、気圧に影響されやすい身体を作ります。
気圧が乱れやすい梅雨時期、台風の多い秋口には特に睡眠不足に注意が必要です。
睡眠不足はどんな薬を使っても補うことができません。

『身体の水はけをよくする』
不要な水をきちんと排出できるようにしておく。これも大切です。
水分排出は基本は汗か尿。
適度に発汗する。軽い運動、お風呂などで汗を流すことは身体の不要な水の排出になります。また食材によっては利尿作用があったり、胃腸の働きを高めて水分代謝を高めるものもあります。こういった食材を取り入れて、体の水はけをよくしておくことも大切です。
~水はけをよくする食材~
・胃腸を元気にして水はけを良くする
ハトムギ・とうもろこし・冬瓜・大豆・あずき・鯉・鮒・鱧
・利尿作用があり水はけを良くする
あずき・なずな・冬瓜・海藻類
・気の流れを良くして水はけを良くする
そば・らっきょう・なた豆・えんどう豆・みかん
・余分な熱を冷まして水はけを良くする
あわ・大豆・セロリ・白菜・かぶ・じゅんさい・きゅうり・もやし・スイカ・海藻類・豆腐

症状が重いとき、症状が辛いとき、養生だけでは改善が難しいのも事実。
このときは漢方薬のチカラが必要です。
だからといって養生が不必要かといればそれも違います。
養生は症状をそれ以上悪化させないようにするために必要不可欠です。
漢方で症状が改善したあと、再発を防ぐためにも必要不可欠です。
一度に全部やろとせず、自分ができそうなことから始めてみてください。
日々の積み重ねは必ず実を結びます。
気圧変化に負けないためにも気象病養生を取り入れてみてくださいね。

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石井正久/マサ

上毛電鉄「中央前橋駅」から徒歩1分にある小谷薬局の4代目です。 「漢方で改善できる症状を確実に良くしていく」をモットーに子宝・婦人病・気象病を中心に漢方カウンセリングをしています。オーダーメイドの煎じ漢方もやっています。薬剤師。ラグビー・筋トレ・甘いもの好き。
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